取手市は、2023年6月1日から障害福祉課カウンターに、AI音声認識アプリケーションを使用し、会話をリアルタイムで字幕表示できる透明ディスプレイを1台設置しました。DXの推進を図りながら、耳が不自由な方や音声だけでの理解が難しい方でも相談しやすい環境を整備し、障害がある人もない人も互いに認め合いながら生きる「共生社会」の実現を目指します。
【合理的配慮の推進】
取手市では、障害のあるなしに関わらず、誰もが暮らしやすい地域づくりと共生社会の実現を目指して様々な政策を行っています。
その一環として2023年6月1日から、耳が不自由な方がいつでも安心してご来庁いただくために、障害福祉課カウンターに、AI音声認識文字起こし支援アプリケーションを活用し、会話をリアルタイムで字幕表示させる透明ディスプレイを設置しました。
■これまでの取り組み
2022年には県内初となる「あいサポート運動の連携推進に関する協定」を鳥取県と締結し、あいサポーター研修を実施すると共に、窓口業務では毎週火曜日に手話通訳を配置し、その他の日は筆談等で対応するなど、合理的配慮の推進に取り組んでいます。
※合理的配慮とは、障害がある人から、社会の中にあるバリアを取り除くために何らかの対応を必要としているとの意思が伝えられたときに、負担が重すぎない範囲で対応することです。(例:聴覚・言語障害の方には、目で見てわかる方法を用いて意思疎通を行う。車いす利用者のために、高い所に陳列された商品を取って渡す。等)
※「あいサポート運動」とは、「障害を知り、共に生きる」をスローガンに、様々な障害の特性を知り、障害のある人に温かく接するとともに、障害のある人が困っているときに「ちょっとした手助けや配慮」を行うことにより、誰もが暮らしやすい地域社会をつくっていく運動です。
【導入機器】
今回導入する機器は、録音からテキスト化、編集、要約まで行うAI音声認識文字起こし支援アプリケーション「AmiVoice ScribeAssist(アミボイス スクライブアシスト)」を用いて、透明のディスプレイに会話を表示します。来庁者と職員の音声を認識し、会話をリアルタイムでディスプレイに表示することで、視覚による情報伝達を可能としました。
■機器の特徴
・透明ディスプレイを採用することで、画面越しでも相手の表情がよく見え、口の動きを確認して情報を把握することができます。
・ディスプレイに表示する背景の色や透過率、文字の字体・大きさや色はカスタマイズできます。
・インターネットに接続されていないため、個人情報の漏洩リスクがなく、安心して利用することができます。
■カウンターに設置するもの
・透明ディスプレイ(幅351×奥行き120×高さ201mm)1台
→来庁者会話閲覧用
・ノートパソコン1台
→アプリ起動、職員会話閲覧用
・マイク 2台
→職員、来庁者用(マイクで拾った会話がディスプレイとパソコンに映し出されます)
【利用者コメント】
何十年も筆談を介しての会話でしたので、最初は戸惑いましたが、スムーズに会話ができてとても嬉しい。便利なものなので今後も利用していきたい。もっといろいろなところにこの機器があるといいですね。
【導入の経緯】
取手市・取手市議会では時間的・人的負担の軽減を目的に2005年から音声認識システム技術を利用した議事録作成を行ってきました。長期にわたるシステム活用により、現在では、取手市特有の地名や方言などの認識も可能となっています。そして、2021年4月に当システムをサポートしている、株式会社アドバンスト・メディアと「音声テック関連技術連携協定」を締結し、音声認識技術やAI、ICTの活用で市民福祉の向上に取り組んでいくことになりました。
<関連リンク>
取手市公式ホームページ
https://www.city.toride.ibaraki.jp/shogaifukushi/kurashi/kenko/oshirase/onnseininnsikimojihyouji.html