その基幹システムを運用していたサーバーセンターの終了にともない、障害時の復旧時間がかかりすぎるなどの課題を解決するため、コストや運用工数なども含めたシステム環境全体を見直すこととしました。性能、移植の容易さ、コストメリット、セキュリティの強固さや閉域網の利用、東京・大阪の国内複数リージョンの利用が可能などの選定基準を満たし、同社の基盤に最も適しているとして採用されたのがOCIでした。
同社ではまず、2020年5月にDR環境をOracle Cloud東京リージョンの「Oracle Base Database Service – Standard Edition」上に構築し、翌6月から、DR環境構築時のスキルを生かし、以下の2段階で本番環境のクラウド化と可用性強化を実施しました。
●第1段階:本番環境のクラウド化
2021年1月に大阪リージョンに本番環境の構築を開始し、約5ヵ月でデータ移行までスムーズに完了。6月に運用開始(本番環境は大阪リージョン、DR環境は東京リージョンと2拠点を活用)
●第2段階:可用性の強化
本番環境とDR環境のリアルタイムなデータ連携を実現するため、「Oracle Data Guard」を採用。「Oracle Data Guard」実装のため、この時点で上位エディションである「Oracle Base Database Service – Enterprise Edition」へ変更し、「Oracle Database 12c」から「Oracle Database 19c」へのアップグレードも併せて実施
DR環境構築と本番環境のクラウド移行までは、オラクル製品の豊富な導入実績とノウハウを持つアシストの「Oracle Cloud環境構築支援サービス」を活用し、短期間でスムーズな運用開始を実現しました。その2年にわたる構築経験により、UQコミュニケーションズにOCIに関する社内ナレッジが大きく蓄積され、可用性の強化段階では、アシストの伴走支援を得ながら内製化で実現、一連の構築作業は2022年8月にトラブルなく完了し、運用開始に成功しています。
OCIでのDR環境の構築、本番環境のクラウド化、可用性強化という3段階を経て、約10ヵ月経過した現在、UQコミュニケーションズの基地局建設業務システムは安定稼働を続け、次のような効果も得ています。
・OCIの2拠点運用による事業継続体制が完成し、2拠点分の「Oracle Database」のエディションをアップグレードしてもなお、運用管理コストを25%削減
・ディスクや性能の課題に煩わされない、安定稼働
・蓄積したナレッジを利用した作業の内製化により、構築・移行コストを削減
UQコミュニケーションズでは今後、自社で蓄積したスキルとナレッジを活用することを前提に、アシストのスキルトランスファー型の各種支援サービスも利用しながら、他システムのクラウド移行を視野に入れています。また、OCIや「Oracle Database Enterprise Edition」のメリットを最大限生かし、「Oracle Database」以外のテクノロジーを含むシステムの総合監視なども構想として検討中です。
▼本事例の詳細URL
https://www.ashisuto.co.jp/case/industry/telecommunication/uqwimax_oci_2023.html
本発表に向けたお客様からのコメント
「災害対策サイト構築からOracle Cloudの利用を始めましたが、本番サイト構築後も安定的に稼働しており、BCPの強化、運用管理コストの削減の両面で良い選択だったと感じています」
UQコミュニケーションズ株式会社 建設部門 兼子 智 氏
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