I-PEX株式会社(本社:京都府京都市、代表取締役社長執行役員:土山 隆治、東証プライム市場 コード番号:6640、以下 I-PEX)は、データセンターなどで用いられる光インターコネクション用途やIOWN※構想での利用を想定するアクティブ光モジュール「LIGHTPASS(R)シリーズ」において、NIC(ネットワーク・インターフェース・カード)等の情報機器の内部伝送や高温動作が必要な基地局等の屋外機器の内部伝送に最適な「LIGHTPASS(R)-EOB II 128G」およびロボットアームや内視鏡のような幅狭な医療機器に最適な「LIGHTPASS(R)-EOS 100G」の2つの新製品を開発しました。
本製品の評価用デモキットの提供は2023年9月、量産開始は2024年下半期を予定しています。また、2023年10月2日~4日にイギリスで開催される展示会「ECOC Exhibition 2023」にてデモ機を展示予定です。
※IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)、NTTグループが推進する光電融合技術や光通信技術を核とする次世代の基幹ネットワーク構想。I-PEXはIOWN Global ForumにGeneral Memberとして参画。
■開発の背景
AIやIoT、5Gの普及によってインターネットの通信量が年々増大する中、ポスト5G、6Gの情報通信ネットワークを担うデータセンター機器をはじめ、通信インフラ、検査機器、高精細モニター、カメラ、 情報端末機器に至るまで、大容量高速通信への対応が必要となっています。現在こうした機器では、機器外部での高速信号伝送に光伝送を用い、外部モジュールで光電変換を行い、機器内部では主に基板配線を使った電気伝送が用いられています。一方で、データトラフィックが増加する中、機器内部において従来の基板配線では挿入損失が大きく伝送距離に制約が生じることや、電気伝送による伝送容量が限界に近づいているため、機器内部を電気配線で完結することが困難になることが見込まれ、また通信量に比例して増加し続ける消費電力も社会課題となっています。
LIGHTPASS(R)シリーズは、このような機器内部の配線を電気伝送から光伝送に置き換え、よりプロセッサに近い位置で光電変換を行うことで、基板上の電気配線の距離を最小化し伝送損失の低減や省エネルギー化に貢献。次世代のデータセンターや高速通信機器における光電融合の実現に寄与します。
■「LIGHTPASS(R)-EOB II 128G」の特長
LIGHTPASS(R)-EOB II 128Gは、「LIGHTPASS(R)-EOB 100G」からコネクタ形状を変更し、M.2カード等への実装が可能な幅寸法18.60mmを実現。3.3V単一電源化、また伝送速度を128Gbps(32Gbps NRZ×4ch)に向上させPCIe Gen5の信号にも対応しました。
優れた放熱性を活かしNIC(ネットワーク・インターフェース・カード)等の情報機器の内部伝送や高温動作が必要な基地局等の屋外機器の内部伝送、軽量化が求められる航空機の機内配線等での使用を想定しています。
■「LIGHTPASS(R)-EOS 100G」の特長
LIGHTPASS(R)-EOS 100Gは、本体形状をスティック状にすることで小型化を実現。LIGHTPASS(R)-EOB II 128G同様に3.3V単一電源化、またオートクレーブによる滅菌にも対応予定です。
実装箇所に制約のあるロボットのアームや内視鏡のような幅狭な医療機器または、複数個実装が必要な産業機器等への搭載が可能です。
■LIGHTPASS(R)シリーズについて
LIGHTPASS(R)シリーズは、アイオーコア株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:福田 秀敬)が開発するシリコンフォトニクスIC「IOCore(TM)」を搭載した双方向光通信可能なマルチモードのアクティブ光モジュールです。I-PEXは現在までに「LIGHTPASS(R)-EOB 100G」「LIGHTPASS(R)-EOM 100G」の2種類のアクティブ光モジュール製品を開発、評価用デモキットを供給しています。この度の高温環境化での長期信頼性に優れた新製品「LIGHTPASS(R)-EOB II 128G」「LIGHTPASS(R)-EOS 100G」によって製品ラインナップを拡充し、サーバーを始めとした幅広いアプリケーションで機器内部の光伝送を実現できる体制を構築します。
■製品スペック
■アイオーコア株式会社およびIOCore(TM)について
アイオーコア株式会社は、技術研究組合光電子融合基盤技術研究所(PETRA)から研究成果の知的財産権と技術の一部を承継して新設分割された初めての株式会社です。本開発は、PETRAが国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から委託を受けて実施したものです。
同社が量産するIOCore(TM)は、シリコン基板上に光素子を形成する「シリコンフォトニクス技術」を用いて作製した5mm角サイズの光トランシーバーチップで、1chあたり最大32Gbpsの伝送速度を持ち、送受4chで合計最大128Gbpsの伝送速度による双方向通信が可能です。
■I-PEX株式会社について
I-PEXは、グローバル市場で閃きや驚きという価値を提供する「ものづくりソリューションエキスパート」を意味します。1963年、精密金型メーカーの「第一精工」として誕生。以来、数々の世界初や独自の製品、ソリューションを生み出してきました。現在は「コネクタ及びエレクトロニクス機構部品」「自動車電装・関連部品」「半導体設備及びその他」の3つの事業分野を展開。「最・尖端を、世界へ」拡げることで、次代を切り拓く世界のあらゆるお客様とともに、デジタル社会の心躍る価値創造に貢献します。
商号 :I-PEX株式会社
代表者:代表取締役社長執行役員 土山 隆治
所在地:〒612-8024 京都市伏見区桃山町根来12番地4
設立 :1963年7月10日
資本金:109億6千8百万円(2022年12月31日時点)
URL :コネクタサイト https://www.i-pex.com/
コーポレートサイト https://corp.i-pex.com/