「JAZZBILLY、見たことあるよという人? 今日初めての人? ようこそ。こんな感じでやってます、よろしくね」
「ここまでは、MAGICの初期メンバーの曲。ここからは、後期メンバーの曲も混じり始めます」
軽快なカントリー調の「Highway Bus」から、フロアにマイクを向けて盛り上げる「Darlin’Darlin’」、そして切ないロッカバラード「ひまわり」。MAGICの曲は、特に後期はロカビリーだけではない、J-POPとして聴いて「いい曲だな」と思える、素敵なメロディがいくつもある。上澤津の歌はどんな曲調でもまっすぐに熱く、特に「ひまわり」の気持ちの入ったボーカルは圧巻だ。
「ここから後半戦です。MAGICの代表曲がどんどん続いていくので、思い出が重すぎて、体も心も泣きだしそうになるかもしれないけど、一緒に突っ走ってくれますか? キャットストリートに一緒にタイムスリップしましょう」
夏だというのに革ジャンで決めてきたのは、「気持ちが引き締まるから」。ステージ衣装にもMAGICへのオマージュを乗せて、ラスト6曲はノンストップで一気に突っ走る。シリアスでハードな「再会」から、明るくハッピーな「Golden Summer」「天使のジェラシー」へ。上澤津のキレのいいツイストダンス、ウッドベースの軽快なスラップ、ヴィンテージのテネシアンの艶やかな響き、ホーン隊のお茶目なステップ。バンドのバランスは最高だ。
「ラスト、飛ばしていくぜ!」と、観客と共に自らを鼓舞しながらなだれ込む最終セクション。「Crazy For Your Love」はマイクを客席に向け、「さらば青春の光」は拳を振り上げ、一体感と熱気がどんどん高まる。ラストを飾るのは「MAGIC~俺たちのGlory Days~」だ。だからもう一度、旅に出よう。30年近く前に書かれた言葉が年を経ても、いや年を重ねたからこそ意味が深く聴こえる。MAGICはノスタルジーではない、現在進行形だ。
「今夜は僕のスーパースターをお呼びしています。JAZZBILLYのアンコールはありません。ここからは、JAZZBILLYフィーチャリング織田哲郎という、別のユニットのライブになります」
「来月、配信を1曲行います。JAZZBILLYフィーチャリング織田哲郎の、ビッグバンドサウンドでお送りします。その曲は、この曲です」
最後に披露されたのは「東京ストリートロッカー」。原曲はもちろんBLACK CATSで、MAGICが1992年にカヴァーし、『Rock’a Beat Days』にも収録された、織田哲郎が作曲とプロデュースを手掛けた1曲。JAZZBILLY初期メンバーの羽毛田耕士が手掛けたという、ゴージャスなビッグバンドの最新アレンジがかっこいい。「No.1」の指さしポーズを、歌いながらみんなが真似てる。すべてが終わって時計を見れば、なんと演奏時間は2時間20分。ステージ前に全員集合、写真撮影に応じるメンバーたちの笑顔が最高だ。
「今夜はありがとうございました。おやすみなさい」
JAZZBILLYの次のライブは未定だが、おそらく今冬に。近く『Rock’a Beat Days』のCD盤リリースも予定されているという。ゆったりとマイペースの活動だが、こんなにあたたかい観客が会場を埋めて声援を送る限り、バンドは素晴らしい音楽で応えてくれるだろう。キャットストリートの物語は終わらない。MAGIC、上澤津孝、JAZZBILLYのヒストリーはこれからも続いてゆく。
<公演概要>
2023年7月22日(土) 渋谷近未来会館
OPEN17:30 / START18:00
<リリース&LIVE情報>
■JAZZBILLY feat 織田哲郎
10月デジタルリリース予定
■JAZZBILLY
11月CD発売予定
CD
■DISC :Rock’a Beat Days
■織田哲郎 LIVE TOUR 2023 【兎に角40周年感謝祭!】
10月29日(日) 大阪 BIG CAT
11月4日(土) EX THEATER ROPPONGI
前売り:全席指定 9,000円 (税込) *別途ドリンク代
各プレイガイド先行:7/24(月)〜7/31(月)
一般チケット発売:8/5(土)〜発売中
東京公演チケット情報
ディスクガレージ
https://www.diskgarage.com/ticket/detail/no093611
【PROFILE】
JAZZBILLY
2003 年 8 月に17人の超ビッグバンド編成で登場、現在は上澤津 孝が主幹するバンド。
オフィシャルサイト:https://www.okirock.com/music/
上澤津孝Instagram:https://www.instagram.com/kamisawatsu/
織田哲郎
オフィシャルサイト:http://www.t-oda.jp/