農業にICT(情報通信技術)を導入して生産現場の課題解決を、と岡山県主催の今年度第1回農林水産DX(デジタル・トランスフォーメーション)セミナーが8月24日、岡山理科大学であり、農業関係者ら約30人が受講。無線通信方式の温度・湿度計と土壌水分計の製作に挑戦しました。
会場はA7号館2階のものづくり実習室。情報理工学部の赤木徹也教授、藤本真作教授、横田雅司助教が講師役を務めました。
今回のテーマは、生産現場で使える「安価なデバイスで自作するデジタル計測器」。実際にはスマホで見ることができる「Bluetooth送信式温度・湿度計、土壌水分計」を手作りしました。
参加者は温度・湿度、土壌水分が収穫に及ぼす影響やデバイスの仕組みについて説明を受けた後、早速、準備された基板にマイコンのモジュールを半田付け。続いて、温度・湿度センサ、土壌湿度センサを次々にマイコンに取り付けていきました。これで主要部品代は何と1,350円也!
次はデータをスマホやパソコンに取り込むためのプログラム作りです。参加者には3人の講師に何度も問い合わせをしながら、四苦八苦する姿も見られました。センサのデータがスマホやパソコンに表示されると、思わず「出来た!」「つながった!」の声が漏れました。
倉敷市から参加したイチゴ栽培農家の星島正英さん(29)と弟の尚幸さん(23)は、「早速、これを土壌管理に使ってみたい」と笑顔です。また、マスカットを生産している別の男性は「これまで水は勘でやっていたが、こんな装置があればデータで管理ができる」と喜んでいました。
同セミナーの第2回は9月5日(火)、第3回は11月下旬を予定。詳しくは岡山県農林水産総合センター産学連携推進課(086-955-0273)までお問い合わせください。