プレスリリース

【重要】自治医科大学附属さいたま医療センター、膵癌ドックを開始

自治医科大学附属さいたま医療センター(センター長:遠藤 俊輔、日本膵臓学会認定指導施設、日本肝胆膵外科学会高度技能修練施設A)では、これまでPETCT検査を用いた総合癌検診を行ってきましたが、利用者のご意見を聞くと「特に膵癌が怖い。」という声が非常に多く寄せられました。そこで利用者の方々のご意見を受けて、早期膵癌やその前癌病変の発見を目的とした【膵癌ドック】を開始することとし、2023年9月11日受診分から検診膵癌ドックをスタートします。

自治医科大学附属さいたま医療センター外来アートスペース「J’s PLACE」

■開設の背景

近年、日本でも膵癌に罹る人が急速に増えており、著名人が膵癌でお亡くなりになったことなどを報道で目にする機会が増えたため、一般の方々の膵癌への注目度がアップしています。膵癌は極めて治療成績が悪く、治癒のためには早期発見が何よりも大切ですが、他の癌と違っていわゆる【検診】が通常行われず、早期発見が非常に困難です。

膵癌ドックの検査の内容は、血液検査、超音波検査、MRI検査、超音波内視鏡検査で、これらを組み合わせて行うことでPETCT検査では発見できないような早期膵癌やその前癌病変を発見することを目的としています。検査は当院在籍のスペシャリストが担当し、約半日で終了します。膵癌ドックを実施している施設、特に大学病院は全国にも数えるほどしかありません。膵癌を恐れている人だけでなく、膵癌の医学的危険因子(糖尿病、家族歴、慢性膵炎、喫煙など)がある人にも、当院の膵癌ドックの取り組みを知っていただき、是非、多くの方々に利用していただきたいと思っています。

■検査概要

検査日時:毎週月曜日(定員2名)

受付  :8時30分/9時00分

検査終了:12時00分/12時30分

結果報告:検査から約2~3週間後に医師から検査結果を報告いたします。

【検査内容】

(1) 血液・腫瘍マーカー検査

膵臓疾患および糖尿病が疑われるときのスクリーニング検査と膵癌が存在するときに異常をしめす腫瘍マーカーを検索します。腫瘍マーカーの多くは癌細胞が異常な代謝をしていることで異常に増加する成分です。

血液一般検査、アミラーゼ、リパーゼ、トリプシン、エラスターゼ1血糖、HbA1c

CEA、CA19-9、DUPAN-2

(2) 超音波検査

膵癌を疑った場合や膵癌のリスクが高い場合、超音波検査を行うことは有用です。他の画像検査と相補的に活用することで膵癌の早期発見につながることが期待できます。

(3) MRCP検査

膵癌は膵管に影響を及ぼすことが多いため、膵管の形の異常を検出するMRCP検査は診断に有用です。またCT検査と比較して放射線被爆がないため、膵癌診断において広く用いられることが期待されています。

(4) 超音波内視鏡検査

超音波内視鏡検査は、他の画像検査と比較すると膵癌を高感度で検出することができるため、特に小膵癌の診断に重要な役割を担っています。ただし、内視鏡検査下に行うため、少し体に負担がかかります。

■施設概要

施設名 :自治医科大学附属さいたま医療センター

所在地 :〒330-8503 埼玉県さいたま市大宮区天沼町1-847

電話番号: (代表) 048-647-2111

診療科 :内科、循環器内科、小児科、外科、脳神経外科、心臓血管外科、

     整形外科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、産婦人科、皮膚科、

     形成外科、リハビリテーション科、麻酔科、放射線科、精神科、

     歯科口腔外科、病理診断科、救急科

■今後の展望

自治医科大学附属さいたま医療センターは、これからもPETCT総合癌検診および膵癌ドックの活動を通じて膵癌および様々な種類の癌の早期発見への啓蒙活動を続けて参ります。