プレスリリース

Qt Groupとドゥカティ、次世代デジタルディスプレイ搭載の新モデル「Scrambler 2023」を発表

フィンランド エスポー 2023年9月20日 – Qt Group(Nasdaq Helsinki:QTCOM)は本日、ドゥカティと提携し、ハイエンドの二輪車への次世代デジタルディスプレイの搭載をサポートすることを発表しました。新モデル「Scrambler 2023」は、Qt for MCUs テクノロジー(リソースに制約のあるデバイス上でスマートフォンのようなユーザーエクスペリエンスを実現するグラフィックスフレームワークおよびツールキット)を使用した初のモデルとなります。

ブランドスタイルとグラフィックの融合は、ハイエンドの二輪車が成功するための基本要素です。ドゥカティの顧客体験は、流動性とエレガンスが特徴であり、デジタルディスプレイは、これらの特性を反映し、操作の反応性、パフォーマンス、スタイルを高める役割を果たす必要があります。ドゥカティ二輪車の複雑なクラスターデザインには、スタイリッシュなスプラッシュスクリーンアニメーション、画面上の位置とサイズを最適化する動的な多言語メニュー、二輪車のデータとのリアルタイムインタラクションなどが含まれています。

「市場は、モダンで洗練されたグラフィックと、周辺の状況に適応する動的なビジュアルを熱望しています。スピード、電子車両制御システムの介入、回転数がリアルタイムで画面に反映され、ミリ秒単位でデータが絶えず流れていることが必要です。私たちが目指したのは、ギガヘルツのクロック機能なしで、スマートフォンのような高性能を実現することでした。」ドゥカティ・モーター・ホールディング(Ducati Motor Holding S.p.A.)のインストルメントクラスター&コネクティビティスーパーバイザーであるClaudio Mariani氏は述べています。

ドゥカティの新しいモデル「Ducati Scrambler」は、デジタルディスプレイにマイクロコントローラー(MCU)を活用しています。この技術は、スナップブート、正確なタイミング、熱効率、リアルタイム制御を必要とするアプリケーション向けに、強固なツールを提供します。しかし、適切なソフトウェア開発フレームワークがなければ、MCUベースの組み込みシステムでグラフィカルインターフェースを実現することは、リソースの制約に対処するのが困難かもしれません。Qt for MCUsのグラフィックスフレームワークにより、Ducati Scramblerはわずか1.5MBのRAMで高性能な「擬似3Dグラフィックス」を実現できます。Qt for MCUsは、MCUやローエンドMPUのフットプリントに合わせて高度に最適化されたライブラリを使用し、ベアメタル環境またはリアルタイムOS上で動作します。

Qt for MCUsを活用したデジタルディスプレイ

「Qtのテクノロジーを活用することで、PC上でUI開発とテストを行い、同時に別のチームがハードウェアのベアメタル開発に取り組むことができました。」Scramblerのクラスター開発を担当したTier 1サプライヤーであるEgicon社のオートモーティブチームリーダー、Amilcare Franciosi氏は述べました。「統合の段階で、UIグラフィックスと機能は既にテスト済みで、実際のハードウェア上での検証が残るだけでした。このような並行ワークフローにより、納期が50%以上短縮されました。」

ドゥカティは、ベアメタル上のMCUでQtを採用することにより、不要な要素を削減し、軽快なシステムを実現しました。同時に、実際のハードウェアが完成する前にPC上でUIを開発することも可能になりました。

「ドゥカティに乗ることは、何事も超越した素晴らしい体験です。」Qt Groupのオートモーティブ・デザインツール部門責任者であるMiao Luoは述べています。「私たちが提供するデジタルディスプレイソリューションによって、ドゥカティの二輪車が、長年にわたり『クール・ファクター』でブランドを築いてきた価値に応え続けることができるようになりました。その結果、二輪車のディスプレイを通じて、流れるように美しいアニメーションを体験することができるようになりました。」

「このパートナシップは、自動車産業がSDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)に向けて前進を続けている一例と言えるでしょう。」とMiao Luoは結論づけています。

今回の発表は、Qt Groupの今年の調査( https://www.qt.io/ja-jp/press/uiux )に続いて、自動車メーカーが競争力を高めるために、ユーザーインターフェース(UI)とユーザーエクスペリエンス(UX)の向上に開発予算を割り当てていることが示しています。

Qt Groupの調査結果では、今後12か月の製品開発予算のうちのUI/UXに向けた用途について、半数以上(52%)の回答者が30%以上を、23%の回答者はさらに多く40-49%を割り当てる予定であることが判明しました。その一方、昨年中に30%以上の製品開発予算をUI/UXに割り当てた回答者は25%にとどまり、UI/UXとビジネスの成功の関連性が強く認識され始めていることを読み取ることができます。

【Qt Groupについて】

Qt Group(Nasdaq Helsinki:QTCOM)はグローバルなソフトウェア企業です。産業界のリーダーと150万人を超える世界中の開発者が信頼を置き、ユーザーに愛されるアプリケーションやスマートデバイスを作成しています。UIデザインやソフトウェア開発から品質管理と導入まで、製品開発サイクル全体を通してお客様の生産性向上を支援します。Qt Groupのお客様は70以上の業界で180か国以上に広がっています。Qt Groupの従業員数は世界で約700名、2022年の売り上げは1億5,530万ユーロでした。より詳細はウェブサイトをご覧ください。

https://www.qt.io/ja-jp/

【ドゥカティについて】

ドゥカティ・モーター・ホールディング(Ducati Motor Holding S.p.A.)は単独株主企業でAudi AGの管理運営会社です。

1926年に創立されたドゥカティは、1946年以来、高性能エンジン、革新的なデザイン、最先端のテクノロジーを特徴とするスポーツ志向の二輪車を製造しています。ドゥカティの工場はボローニャのボルゴ・パニガーレ地区に位置しています。ドゥカティは、DesertX、Diavel、XDiavel、Hypermotard、Monster、Multistrada、Panigale、Streetfighter、そしてSuperSportのファミリーなどのラインナップで様々な市場セグメントで活躍しています。2015年に、ドゥカティはDucati Scramblerを発表しました。これは、二輪車、アクセサリー、アパレルで構成された新しいブランドで、創造性と自己表現力で注目されています。2020年にドゥカティはMultistrada V4を公開し、前後方レーダーを搭載した世界初の二輪車として、自動二輪車の世界に新たなマイルストーンを刻みました。ドゥカティの代表的な二輪車は、様々な二輪車アクセサリー、機能性およびライフスタイルに基づいたアパレルと合わせて、世界90カ国で販売されています。2022年には、61,562台の二輪車を顧客に納品しました。また、ドゥカティはMotoGPワールドチャンピオンシップとSuperbikeワールドチャンピオンシップの公式チームとして出場しています。ドゥカティは2003年からMotoGPワールドチャンピオンシップに参加しており、2007年、2020年、2021年、2022年にコンストラクターズタイトルを獲得し、2007年、2021年、2022年にはチームタイトルを獲得し、2007年と2022年にはライダーズタイトルを獲得し、2度のワールドチャンピオンに輝きました。Superbikeワールドチャンピオンシップでは、ドゥカティは18回のメーカーズタイトルと15回のライダーズタイトルを獲得し、そのカテゴリーで最も成功したメーカーとしての地位を確立しています。 2022年はドゥカティにとって前例のない年で、MotoGPワールドチャンピオンシップとSuperbikeワールドチャンピオンシップ両方で世界選手権3冠を達成しました。さらに、2023年から2026年まで、ドゥカティはMotoGPワールドチャンピオンシップの電動クラス部門であるFIM Enel MotoE(TM)ワールドカップの唯一の公式二輪車サプライヤーとして活動する予定です。

【EGICON SRLについて】

EGICON SRLは電子ソリューションを提供するグローバルな企業です。EGICONチームは自動車および産業用ソリューションを主要な市場プレーヤー向けに開発および製造しており、高品質を提供するパートナーとして認められています。より詳細はウェブサイトをご覧ください。

https://www.egicon.com