としな歯科医院 院長の年名淳(としな・じゅん)は、『辞めない 揉めない 理念が根づく「クリニック人材育成」の教科書』(セルバ出版)を11月15日に刊行しました。
この書籍では、職場において問題となりがちなマネジメントの部分を、男性経営者でありながら部下は皆女性という環境で、男女の違いや特性を活かした形でマネジメントを成功させた事例をもとに、スモールビジネスを回すための考え方やメソッドを丁寧に解説しています。
<本書の特徴>
厚生労働省が出している令和2年度の「新規学卒就職者の離職状況」によれば、医療福祉分野における就職後3年以内の離職率は、新規高卒就職者46.2%、新規大卒就職者38.6%と、全体の数値よりも5~7ポイントほど高くなっています。
これは、決して現場が過酷というだけではなく、スタッフと運営方針とのミスマッチ、リーダーとスタッフ・もしくはスタッフ同士の人間関係も大きな理由と考えられます。
とくにクリニックでは、「男性経営者ひとり・女性の部下が複数」という職場環境による人間関係のトラブルも少なくないと言われています。
本書では、当時「青天の霹靂」と言えるほど衝撃を受けたスタッフからの「クーデター」により、著者が大変な思いをしたことを赤裸々に告白。
この「事件」を通じ、著者は「これはもう、変えなければいけない」と思い立って改革を進めました。
具体的には、リーダーのビジョン、ミッションを体現するクレド(行動指針)を策定し、クレドにコミットさせる流れを考慮した採用ステップの構築を行ったのです。
その結果、採用や育成が改善し、離職率がぐっと減ることに。
離職が減ったことによる採用コストの削減、そしてクレドにコミットしたスタッフの対応による患者さんの増加は、クリニックの利益に大きく寄与しています。
本書には、このクレドの作成手順と採用ステップ、そして著者が深い考察のもと実践している女性スタッフとの関係構築法が、わかりやすく書かれています。
実際、クレドを作成する同業者へのコンサルティングは、悩める多くの医院の経営者の大きな助けとなっています。
<執筆に至った背景>
本書で紹介しているメソッドを活用して、部下たちが自発的に働く職場風土をつくり、リーダーもスタッフもお客様もしあわせになるスモールビジネスが展開できることを心から願い、本書は執筆されました。
とくに、「男性経営者ひとり・女性部下が複数」という環境でお困りの男性経営者やリーダーの方は、スモールビジネスを回していくために、本書のノウハウや考え方をお役立てください。
【著者紹介】
年名淳(としな・じゅん)
としな歯科医院 院長(大阪府泉大津市)
クリニックの人材育成コンサルタント
歯科衛生士のためのオンラインコミュニティ主宰
1963年生まれ。1988年朝日大学歯学部卒業後、埼玉医科大学附属病院(口腔外科)、一般の歯科医院勤務を経て、1998年にとしな歯科医院を開設。
歯科衛生士が担当制で患者をサポートする、予防メインテナンス型診療をベースにした歯科医療サービスを展開している。
開業当初からスタッフの育成や指揮に悩み、“本業の足を引っ張られる”想いから、試行錯誤の末に「クレド(行動指針)」を策定。
それをベースにした緻密な採用手順や女性の心理に寄り添うコミュニケーションを模索しながら、院内トラブルゼロやスタッフが辞めないクリニック経営を実現。
その実績を活かし、小規模歯科医院や歯科衛生士向けセミナーなどに多数登壇、親身に耳を傾ける相談スタイルが絶大な支持を得ている。
著書に『なぜあの歯科医院は歯科衛生士が長く働き続けているのか』(デンタルダイヤモンド社)がある。
【書籍情報】
書名 : 『辞めない 揉めない 理念が根づく「クリニック人材育成」の教科書』
著者 : 年名淳(としな・じゅん)
定価 : 1,650円(税込)
発売日 : 2023年11月15日
出版社 : セルバ出版
ページ数: 144ページ
販売先 : https://www.amazon.co.jp/dp/4863678576
<目次>
第1章 過去の失敗から学んだこと
突然の「青天の霹靂」
転機となったスタッフの「クーデター」
「事件」以来変えたこと など
第2章 複数の女性部下を持つ男性リーダーの悩みと、改善のヒント
リーダーの悩みは多く、根深い
採用に悩むリーダーと、その勘違い
待遇面も悩ましい問題 など
第3章 クレド(行動指針)をつくる
クレド(行動指針)は行動のありようを「見える化」するもの
クレドの存在意義
こんなクレド作成は失敗する など
第4章 適正人材採用の5ステップ
小規模事業所における採用のポイント
採用ステップ1/5 絶対に外せない! 書類選考
採用ステップ2/5 一次面接と事前アンケート など
第5章 「女性部下中心のスモールビジネス」を回すために大切なこと
「学歴差」から来るギャップを受け入れる
スモールビジネスに必要な人材
組織のメンバーの価値観を認め合う など