プレスリリース

有機系触媒の製造技術ライセンス契約を締結

 当社(社長:齊藤 猛)は、医薬品製造を想定する有機系触媒※1の製造技術を供与するライセンス契約を、東京化成工業株式会社(社長:浅川  直幸、以下「東京化成工業」)と締結しましたので、お知らせいたします。

 

 当社は、「『エネルギー・素材の安定供給』と『カーボンニュートラル社会の実現』との両立に向け、触媒開発の分野でも革新的技術(高性能・新機能・低コスト・SDGs)の発見・開発に取り組んでいます。

 

 近年、医薬品の製造過程で使用される触媒に起因し、最終製品中に含むと有害とみなされる金属の含有量規制が高まってきております。当社は、含有金属の規制強化に対応しつつ、既存触媒と同等以上の性能やコスト競争力を発揮できる有機系触媒の開発を進めてきましたが、今般、これらの条件をクリアする3品目の有機系触媒の開発※2に成功しました。同3品目の触媒は高血圧薬等、様々な医薬品製造技術への適用が見込まれることから、特許出願するとともに国内大手試薬メーカーである東京化成工業へ技術ライセンスを供与し、同社が製造・販売を担うこととしました。現在も新たな開発を継続しており、順次、ライセンス契約および製品化に向け対応してまいります。

 

 今後、当社は、マテリアルズ・インフォマティクス(MI)※3を活用した有機系触媒の分子設計にも挑戦し、エネルギー・素材の安定供給に貢献する革新的技術の開発を推進してまいります。

 

以 上

※1 有機系触媒とは、有機金属触媒や有機触媒の総称。

※2 販売開始する有機系触媒は、現在の医薬品製造触媒に求められる様々な課題(既存触媒と同等以上の性能、コスト競争力、高い化学選択性、含有量規制や環境調和への適合、あるいは製造現場での取り扱い性等)の解決に寄与するものである。

※3 MIとは、膨大な材料データをAI(ディープラーニング)等で解析し、期待する性能が出そうな化学構造や組成を設計する手法であり、各国が注目する今後必須となる技術。従来、実験をもとに「研究者の経験と勘」で進めてきた素材開発を圧倒的に加速することが期待される。当社では、実験、シミュレーション、AIを融合させることで「物理・化学法則による提案」と「統計解析による提案」により、再生可能エネルギー・触媒・機能材料・潤滑油等の分野で、革新的素材(高性能・新機能・低コスト・SDGs)の発見・開発に繋げることを目指し取り組んでいる。

<開発イメージ>