PLEN Robotics株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:赤澤 夏郎、以下「PLEN Robotics」)は、リスク計測テクノロジーズ株式会社(本社:横浜市中区、代表取締役:岡崎 貫治、以下「RimTech」)と提携し、約5秒間の会話音声を解析しメンタルヘルスを把握する「Care Cube(ケアキューブ)」を7月3日に製品化します。
■背景
日本におけるうつ病の患者数は急激に増加し、現在約127万人いると推定されています。これは過去20年間で約4倍の数です。うつ病による日本の社会的損失額は約3兆円、さらに統合失調症と不安障害を合計すると約8兆円と推定されています。メンタルのヘルスチェックは体の健康と合わせて、個人のみならず職場や社会全体にとって重要な課題といえます。
今日「労働安全衛生法」により従業員にはメンタルヘルスのチェックが義務付けられているものの、従来のアンケート式の調査では、精神的ストレスを抱えていても「大丈夫です」と回答してしまったり、本人の自覚のないケースもあり、ストレスに関するトラブルの早期発見は困難です。
PLEN RoboticsとRimTechは、2021年に業務提携して以来、本製品の開発を進めてまいりました。同年、神奈川県新型コロナウイルス感染症対策ロボット実装事業の一貫として湘南鎌倉総合病院にて医療従事者向けのサービスプロトタイプの概念実証を行いました。さらに2022年、神奈川県新型コロナウイルス感染症対策ロボット開発支援事業の一貫として小田原市鴨宮ケアセンターにてアップデート版の機能性の実証を行い、改良を重ね、「Care Cube」として完成させました。
■サービス概要
「Care Cube」は、PLEN Roboticsが開発した顔認証AIアシスタント「PLEN Cube」と、RimTechが開発した音声解析エンジン「Motivel」によって構成されます。
「Care Cube」はメンタルヘルスチェック対象者の顔を見つけると、声かけをします。そして約5秒間の会話をするだけで音声を解析し、心の健康状態をグラフで表示します。測定結果は音声とアプリケーション上のグラフィック表示でフィードバックされます。また日々のメンタルヘルスチェックを継続することで、「Care Cube」はストレスに起因するトラブルを2週間程度前に予測が可能となります。
特徴
1.声帯の震えから得られる客観的なデータ
これまでストレスの度合いは、自記式アンケートという主観データにより判断されてきました。「Care Cube」は音声から不随意筋である声帯の震えという客観データを検出し、機械学習により喜び・悲しみ・怒り・恐れなど、8つの感情指標を数値化し、ストレスの度合いを数値化します。
2.わずか5秒の会話で測定
心の状態の可視化には様々なアプローチがありますが、計測に要する時間は、数十秒程度要するのが通常です。「Care Cube」は音声データの特徴量把握のため独自のアルゴリズムを開発し、僅か5秒の音声データに基づき計測を行います。
3.インターフェイスとしてのAI搭載カメラ端末
「Care Cube」は、人とのインターフェイスに、エッジAI搭載カメラ端末「PLEN Cube」を使用しています。顔を近づけると自動的にプログラムが起動するため、スマートフォンやパソコン用のアプリケーションに比較して、誰でも操作がしやすいものとなっています。また通常のIT機器に搭載されるマイクと異なる単一指向性マイクの利用により、騒音環境下でも音声を的確に把握できるよう工夫しました。
詳細は下記サイトをご確認ください。
公式Webサイト : https://plenrobotics.com/carecube
公式Youtube動画: https://youtu.be/nbdsCFw8evA
「Care Cube」は、今後も改良を重ね、オンラインセラピー、カウンセリングサービスとの連携など、ヘルスチェックからヘルスケアサポートまでのシームレスなサービスを提供します。
■AIアシスタント「PLEN Cube」
「PLEN Cube」は7.4cmの立方体端末内にデジタルビデオ・カメラと顔認識、顔認証、音声認識、会話合成機能を搭載し、入退室管理や商品レコメンド、健康チェックなどを行います。端末内で人工知能処理を行うため、通信に伴う遅延が少なく、顔認証サービスの定額使い放題等を実現しました。
■声だけ5秒でモチベーションを可視化する「Motivel」
言語フリーで、約5秒の音声データから簡単に複数の感情を可視化することができ、ストレスの度合い、活動意欲、集中力・注意力が低下する可能性、ヒヤリハットが発生する可能性を計測します。
■PLEN Robotics株式会社 http://www.plenrobotics.com/
PLEN Robotics株式会社は、2017年7月にロボティクス、通信、人工知能技術を実用的なアシスタントサービス/IoTデバイス化するために設立されました。AIアシスタント「PLEN Cube」を通じてサービス業の現場を効率化し、接客業務の自動化・データ化により、人手不足の悩みを抱える企業の経営改善に貢献します。
■リスク計測テクノロジーズ株式会社 https://rimtech.co.jp/
リスク計測テクノロジーズ株式会社は、2019年10月、リスクを削減し、人々が安心・安全に暮らせる社会を実現するリスク管理ソリューションを提供するために設立されました。現在、人に関するリスクに対応するため、声だけ5秒でモチベーションを可視化する「Motivel」を開発・提供しています。また、声から眠気リスクを検知する「Nap Meter」を開発しています。人に関する様々なリスクを削減することで、収益機会の逸失リスクやインシデント・リスクを回避し、持続可能性のある企業活動と安心・安全な職場環境の構築に貢献します。