プレスリリース

株式会社リナイスと福井県立大学がサケ鼻軟骨のコラーゲン研究で成果を発表

株式会社リナイス(本社:北海道札幌市、代表取締役:中野 英春、鳴海 正樹)は、2020年4月より福井県立大学海洋生物資源学部(水田 尚志教授)との共同研究を継続しており、その研究成果として、これまでの常識ではその含有比率が数%で『マイナーコラーゲン』として認識されてきたXI型コラーゲンがサケ鼻軟骨中コラーゲン量の20%含有されていることを確認いたしました。

<受理された研究論文について>

2023年5月10日、福井県立大学の水田教授らによる論文「サケ鼻軟骨コラーゲンの性状」がFisheries Scienceで受理されました。

この研究論文によりますと、サケ鼻軟骨にはXI型コラーゲンが豊富に含有され、これまでその存在が明らかになっていたII型コラーゲンとの相対的含有割合は

≪II(2)型コラーゲン:XI(11)型コラーゲン=約8:2≫

であることが明らかとなりました。

XI型コラーゲンはV型コラーゲンと合わせてもマイナーコラーゲンとして認識されており、その相対的割合は通常、魚の筋肉の全コラーゲンの5%未満であると報告されてきました。

したがって、サケ鼻軟骨には特異的にXI型コラーゲンが豊富に含まれていることが今回明らかになり、さらにはXI型としてはこれまで報告例のないサブユニット組成を持つ分子型が存在する事が明らかとなりました。

Characterization of collagen in salmon nasal cartilage: enzymatic solubilization with fungal

acid protease. Fisheries Science. 2023 (Published online : 10 May 2023)

当社では、水田教授らの研究報告をもとに、食品原料「SCPコンプレックス-LS」の規格を変更し、非変性II型コラーゲンと合わせて非変性XI型コラーゲンを規格化いたします。

しかし、本原料(SCPコンプレックス-LS)は現在多くの商品にご採用いただいていることから市場への影響は大きく、商品の表示や説明資料等の資材切替等でトラブルが発生しないよう、対応策をお示ししつつ、2024年4月に規格変更することといたしました。

なお、消費者庁からは以下のような指導を受けました。

「本件は、学説変更など避けれない理由のため猶予を設けたりしないが、なるべく早く修正対応していくように。 ※ただし、機能性表示食品に関しては即変更を求める。」

<SCPコンプレックス-LSの規格 新旧比較>

新旧比較表

下記画像は、サケ鼻軟骨から特許製法(特許第7138873号)により抽出したアテロコラーゲンのSDS-PAGE(ポリアクリルアミド電気泳動)結果です。

この画像解析を行なったところ、全コラーゲン中に占めるII型・XI型コラーゲンの割合は8:2との結果を得ました。

電気泳動画像

<規格変更に伴う表示対応策>

1. 商品ラベル等に含有量を示さず、非変性II型コラーゲン含有とだけ謳っている場合

非変性II型コラーゲンは、含まれておりますので、クリエイティブ関係で変更の必要はございません。

2. 商品ラベル等に含有量を示して、非変性II型コラーゲン含有を謳っている場合

「非変性II型コラーゲン」→「非変性II型&XI型コラーゲン」もしくは「非変性コラーゲン」という表示に変更していただく必要がございます。

例)非変性II型コラーゲン10mg配合 → 非変性II型・XI型コラーゲン10mg配合

                   または、非変性コラーゲン10mg配合

3. 商品ラベル等に非変性コラーゲン含有やその含有量を謳っている場合

変更の必要はございません。

※II型コラーゲン、XI型コラーゲンそれぞれの含有量を表記したいというご要望に対して

試験成績書への含有比率の数値記載など個別対応を検討いたしますので、お知らせください。

<機能性表示食品への対応>

当社では、この「非変性II型・XI型コラーゲン」を機能性関与成分とするヒト臨床試験もすでに実施済みで、各種運動時の膝関節の違和感を和らげる機能を確認しております。その解析論文はすでに査読完了し受理されております。 [薬理と治療 2023年51巻6号909-920ページ]

機能性表示食品届出に対応したSRの提供も年内開始できるよう準備いたします。

【研究用試薬の上市について】

食品原料「SCPコンプレックス-LS」の規格変更とは別に、研究用試薬(サケ軟骨型非変性II型・XI型コラーゲン)をコスモ・バイオ株式会社より販売いたします。販売開始は2023年7月~を予定しております。

非変性コラーゲンを謳う場合、ポリアクリルアミド電気泳動法での分析が必要で、分析用の試薬が必要になります。

コスモ・バイオ社_研究用試薬

今後もHACCP基準に基づき、品質管理の徹底を行ないながら高機能・高品質の原料を安定供給してまいります。引き続き、当社食品原料のご愛顧の程、何卒よろしくお願い申し上げます。

【会社概要】

2011年1月設立。北海道産天然シロサケの未利用部位である鼻軟骨より抽出精製する機能性関与成分「プロテオグリカン」の製造専門メーカー。北海道内の水産加工会社と提携し、原料(サケ頭)調達から最終工程まですべてを自社で行なっている。

商号  : 株式会社リナイス

代表者 : 代表取締役 中野 英春・鳴海 正樹

所在地 : (本社・研究室)

      〒001-0021 札幌市北区北21条西11丁目北大FMI国際拠点405

      (工場1)

      〒049-3519 北海道山越郡長万部町字旭浜159-9

      (工場2)

      〒045-0013 北海道岩内郡岩内町字高台298-1

事業内容: 食品原料・化粧品原料の製造及び健康食品・化粧品の企画・

      受託製造等

URL   : https://www.linise.co.jp/

      https://www.linise-pg.com