KPMGジャパン(東京都千代田区、共同チェアマン:山田 裕行、知野 雅彦)は、過去類を見ない速度で社会への普及が進む生成AI(生成型人工知能)の現状を受け、KPMGジャパンの各メンバーファームが保持する専門性を結集し、本領域を包括的に支援する体制を構築しました。その一環として、あずさ監査法人では、生成AIを活用した監査向けソリューションを開発し、法人内における利用を開始します。2023年8月より、会計・監査対応AI、AZSA Isaac(あずさ アイザック)を法人内で展開します。第一弾は、チャットボット機能から開始し、その後順次機能を拡充予定です。
AZSA Isaacは、外部に情報が漏洩しないよう、あずさ監査法人内からのみ利用できるクローズドでセキュアな環境となっています。
具体的な活用例は、以下のとおりです。
■監査における生成AI活用例
(1) 会計・監査対応チャットボット
本ソリューションは、会計監査の領域に合わせた用語理解、回答をするチャットボットです。法人内のガイダンスやFAQ等も加味することにより、通常のChatGPT等よりも、会計専門用語を使った場合でも理解し、会計士が求める内容の回答を返すことができます。
(2) ニュース分析
本ソリューションは、大量のニュースに対し、会計士が着目すべきものであるかを評価するものです。会計士の判断した結果に基づいて教育(Fine-tuning)したモデルを用いて、大量のニュースの中で、会計士が着目すべきものであるか否かを評価します。将来的には、議事録の分析等への活用を見込んでいます。
(3) 仕訳分析
本ソリューションは、生成AIと会話しながら会計仕訳を分析するものです。対話により、データの加工や分析、お薦めの分析提案を行うことで、仕訳の特徴を捉えて、各会社の状況に合わせた会計仕訳の分析を可能にします。
図1. 会計・監査対応チャットボット
(会計監査に関する専門用語などを理解して回答する)
図2. 会計士の判断に基づき教育した生成AIの利用
(上段:通常の生成AIによる評価、下段:会計士の判断に基づき教育した生成AIによる評価、会計士であれば着目すべき内容か否かを判断する)
図3. 仕訳データ分析のサポート
■あずさ監査法人について
有限責任 あずさ監査法人は、全国主要都市に約6,000名の人員を擁し、監査や保証業務をはじめ、アカウンティングアドバイザリー、金融関連アドバイザリー、IT関連アドバイザリー、企業成長支援アドバイザリーを提供しています。金融、情報・通信・メディア、パブリックセクター、消費財・小売、製造、自動車、エネルギー、ライフサイエンスなど、業界特有のニーズに対応した専門性の高いサービスを提供する体制を有するとともに、4大国際会計事務所のひとつであるKPMGのメンバーファームとして、143の国と地域に拡がるネットワークを通じ、グローバルな視点からクライアントを支援しています。