一般社団法人しまなみジャパンと株式会社ナビタイムジャパン、NTTコミュニケーションズ株式会社、株式会社伊予銀行、株式会社いよぎん地域経済研究センターは、2023年10月6日(金)より、瀬戸内海を挟む広島県尾道市と愛媛県今治市をつなぐ「しまなみ海道エリア」における観光消費の拡大を図るため、レンタサイクル利用者向けアプリ等を活用した観光DXに関する実証実験(以下、本実証)を開始します。
1. 背景
しまなみ海道では、サイクリングを核とした観光地づくりが行われており、2019年はレンタサイクルの貸出台数が15万台にのぼるなど、広島県尾道市・愛媛県今治市及び周辺地域の観光振興において大きな役割を担っています。一方で、現状では観光客の属性や地域内の動態等のデータを明確に把握できておらず、周辺地域の観光振興への貢献度が定量化されていないほか、レンタサイクルの予約・貸出が紙媒体での受付と現金決済となっており、レンタサイクル利用者にとっての利便性が十分でないという課題があります。
2. 本実証について
こうした課題を解決するため、本実証では、以下の点の有効性を検証し、観光DXによる先進モデルの創出と持続可能な観光地作りを目指します。
[1] レンタサイクル利用者向けスマホアプリの開発・提供による旅行者の周遊促進
・しまなみ海道エリアの飲食・観光等スポットの情報提供や現在地・現在の走行状況(距離や時間)等に基づいた音声レコメンド等を行い、エリア内を楽しくかつ快適に周遊できるようにサポートするアプリを提供
・ナビタイムジャパンの経路検索技術を活用し、レンタサイクルの貸出・返却ターミナルを繋ぐ旅程作成機能を開発
[2]レンタサイクル予約・貸出業務のデジタル化による業務効率化・生産性向上
・ 国内観光需要及びインバウンド観光需要の増加に伴い、予約受付のオンライン化や現地受付のペーパーレス化、支払いのキャッシュレス化を図り、予約・貸出業務を効率化
・また、業務効率の改善により、受付に掛かる時間の短縮や手厚い観光案内等が可能となり、サービスの質のさらなる向上に寄与
[3]データ連携基盤の構築によるしまなみ海道エリアの観光地経営の高度化
・[1][2]で取得するデータ及びSNS・気象データ等の一元集約を可能とするデータ連携基盤を利用
・一元集約されたデータからレンタサイクル利用者の属性及び行動実態を把握するダッシュボードを開発し、現状把握を的確に行うことで、経験や勘に依存した経営からデータを活用した観光地経営の実践へ繋げる
【実証実験イメージ】
【実証実験概要】
3.今後の展開
本実証終了後も各実施内容を継続し、レンタサイクルを基軸としたしまなみ海道の活性化を図るとともに、マイバイク利用者や他観光客へのサービス展開や周遊促進だけでなく消費促進に直結するような施策、地域事業者と連携した共同施策等にも取り組み、さらなるしまなみ海道の活性化を図っていきます。
【参考】
※本実証は、観光庁 令和5年度「事業者間・地域間におけるデータ連携等を通じた観光地域経済活性化実証事業」の採択を受けた「レンタサイクルを基軸としたしまなみ海道活性化事業」の取組の一環として実施するものです。
※「事業者間・地域間におけるデータ連携等を通じた観光地域経済活性化実証事業」について
観光庁では、観光分野におけるDXの推進により、旅行者の利便性向上や観光産業における生産性向上等に取り組むとともに、地域間・観光事業者間の連携を通じた地域活性化や持続可能な経済社会の実現を目指した取組を推進しています。旅という非日常の心躍る体験の魅力を、デジタルの力でさらに高め、旅行者や地域をより豊かにすることが、この観光DX事業の目的です。
・観光庁ホームページ:https://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/kankochi/digital_transformation.html
・観光DX公式Webサイト:https://kanko-dx.jp/