プレスリリース

エシカルな宝石「クレサンベール」が注目される理由と製造方法

 11月11日(土)は、「宝石の日・ジュエリーデー」です。1909年(明治42年)11月11日、農商務省令第54号により、宝石の重量の表示に200mgを1ct(カラット)とする国際単位が採用されたことから、1986年(昭和61年)に日本ジュエリー協会が「宝石の日・ジュエリーデー」を制定し、一般社団法人日本記念日協会に登録されました。

ラボグロウン宝石「クレサンベール」

■エシカルという新しい価値を持つ「ラボグロウン宝石」 

 古来、宝石やジュエリーは、身を守るお守りや装身具として人々の生活を彩ってきました。自然が作り出した宝石の希少性や美しさはいつしか富や権力の象徴となり、その美しい原石を求めて危険な採掘作業が世界中の鉱山で行われています。

    しかし近年、美しい宝石に隠された環境問題、人権問題から、ラボで作られた人工宝石(ラボグロウン宝石)が注目されるようになりました。その商品がどう作られているのか、ということまでを考えた消費によって、人と環境、社会が共存できる世界を目指すというエシカルの考えが、労働環境や人権、環境に配慮して育成されるラボグロウン宝石の理念や製造方法が結び付き、現在、多くの人からの共感を得ているのではないでしょうか。

      

■京セラのラボグロウン宝石ブランド 「クレサンベール」の誕生

    ラボグロウン宝石自体の歴史は長く、1900年ごろから研究開発が行われていたといわれます。ラボグロウン宝石というとダイヤモンドのイメージが先行していますが、京セラのラボグロウン宝石は、1975年のエメラルドの製造から始まりました。天然の宝石を否定するのではなく、採掘による原石の枯渇を危惧し、今後100年、その先も人々の生活を輝かせることができる宝石をと、当社の創業者稲盛 和夫が手掛けた事業です。

 「クレサンベール」と名付けられた当社のラボグロウン宝石は、自社の再結晶技術を用いて、最高の天然宝石が生まれる過程を京都伏見事業所内に再現。危険な採掘が不要な原鉱石を使って製造しています。純度が高く、天然のものと化学的・物理的・光学的性質にほとんど違いがありません。

 エメラルドの製造成功から約半世紀たった現在では、サファイアやルビーなど、14種のラボグロウン宝石やジュエリーを「クレサンベール」ブランドとして展開しています。

 

ベリル原鉱石(上)と、工場内に再現した地球内部のマグマと同じ状態のるつぼ

■さらに広がるラボグロウン宝石「クレサンベール」の魅力

 「クレサンベール」が誕生した約半世紀前、天然石であることが宝石の価値基準の一つであり、人工で作られたラボグロウン宝石の価値が低かったこと、また、宝飾用のラボグロウン宝石を商業ベースとして国内で製造している企業は当社だけであったこともあり、クレサンベールジュエリーはイミテーションと言われた時期もありました。

 しかし現在、「クレサンベール」の原石提供依頼はここ数年で増加しており、売上も2019年と比べ約70%増加。従来、海外向けではルビーとブルーサファイアがメインでしたが、昨年からはアレキサンドライト、グリーンクリソベリルなどの需要も増え、販路も拡大しています。また、国内においてもラボグロウン宝石の価値やエシカルへの取り組みに共鳴し、「クレサンベール」の輝きを自社製品に採用してくださる企業も増えてきています。

『近年のエシカル意識の高まりもあり、ラボグロウン宝石「クレサンベール」を多くの方が手に取ってくださるようになりました。京セラとして大切にしてきた「社会・環境との共生」と「心の豊かさの提供」という想いに共感くださり、いくつもの企業で採用いただけていることを大変うれしく感じています。今後も国内・海外問わず、「クレサンベール」というエシカルな輝きで「心の豊かさ」を届けていきたいと思います』(宝飾応用商品事業部 営業部 多氣ひより) 

 京セラは約半世紀前から人に夢を与え、心を豊かにする人工宝石の実現に挑戦し、数々のラボグロウン宝石を生み出してまいりました。これからも、当社の技術力、開発力で、人・環境・社会と共存する世界を目指してまいります。

 

<参考>■京セラのラボグロウン宝石の製造方法に関する詳細はこちら:

 https://www.kyocera.co.jp/prdct/jewelry/cv/stone/how_to.html          

【国内の採用事例紹介】

■「BIZOUX」(ビズー)

 株式会社ドリームフィールズ(代表取締役  土屋 成範)が展開する宝飾ブランド「BIZOUX」は、「型にはまらなくても、形が個性的でも、美しいものを美しい」として、さまざまな宝石との出会いを提供しています。天然宝石による商品を提供する「BIZOUX」では、宝石ロスを減らす取り組みの一環で、本年からラボグロウン・カラーストーンも展開。「地球にやさしい輝き」として当社のラボグロウン宝石「クレサンベール」を採用した数々のジュエリーを扱っています。

  ◇https://bizoux.jp/collections/lab-grown  

■ORB(オーブ)

 1977年設立の株式会社ORB(代表取締役 竹内 啓敏、以下 ORB)では、インイヤーモニター「CF-IEM」の新製品「CR-IEM  avec CRESCENT  VERT」を発表し、本年11月11日(土)から発売します。

 ラボグロウン宝石は、エメラルド、ルビー、ブルーサファイア、ピンクサファイア、さくらサファイア(パパラチアサファイア)、ウォーターオパールの6種類から選ぶことができます。        

 クレサンベールの持つ天然宝石と同一の成分・構造でありながら、不純物が少なく、天然宝石ではめったに見ることのできない美しい色調と透明感は、音楽の美しさと明瞭な音像を表現するORBのインイヤーモニター「CF-IEM」と同調し、音楽を聴く楽しい時間をお届けします。

◇https://www.orb.co.jp/audio/products/cfiem_cv.html

写真上:鈴木優香さん(撮影:もろんのんさん)


■シチズン時計

 シチズン時計株式会社(代表取締役社長 佐藤 敏彦、以下シチズン)の新製品「光発電エコ・ドライブムーブメントCaliber E365」限定モデルのインデックスを彩る宝石として、当社のラボグロウン宝石「クレサンベール」のルビーが採用されています。

 シチズンの企業理念でもある「市民に愛され、市民に貢献する」を体現するコア・テクノロジーでもある「エコ・ドライブ」。これは同社が1970年代初頭、最新鋭で無公害なクリーンエネルギーである「太陽光」に着目し誕生した光発電技術で、以来、同社はわずかな光を電気に換えて駆動するエコ・ドライブ時計の機能性やデザイン性を進化させてこられました。今回、その限定モデルにラボグロウン宝石が採用されたことは、大変意義のあることでもあり、今後もさらに環境と社会の共存を目指してまいりたいと考えます。

◇https://citizen.jp/news/2023/20231003.html  

「クレサンベール」は京セラ株式会社の登録商標です。