好適環境水による陸上養殖の導入を検討しているフィリピン・セブ島ダラゲッテ市のロナルド・アラン・G・セサンテ市長らが11月13日、岡山理科大学を訪れ、平野博之学長を表敬訪問するとともに、生物生産教育研究センターを視察し、工学部の山本俊政准教授から陸上養殖について説明を受けました。
一行はセサンテ市長夫妻をはじめ、セブ州のロルダン・H・サラゲナ農林水産専門官ら10人。好適環境水による陸上養殖のニュースを国際放送で見た現地関係者が注目し、これまで数回、同センターの見学に訪れていますが、市長の来訪は初めてです。
この日、平野学長を表敬訪問したセサンテ市長は、現地で陸上養殖の導入を考えていることを説明し、事業化に際して人材派遣などの連携協力を要請。これに対し、平野学長は前向きに協力していく意向を示しました。
続いて、一行は35トン水槽が並ぶ生物生産教育研究センターを訪れ、世界初の養殖事業化が進むベニザケのほか、二ホンウナギが元気よく泳ぎ回る様子を見学。山本准教授が「ここの水は1年間以上交換していない」と話すと、感嘆の声が上がっていました。一行からは「初期投資はいくら必要か?」「水槽の材質は?」「えさは1日何回与えるのか?」「事業を進める際の大学の窓口はどこか?」など、突っ込んだ質問が相次ぎました。
視察を終えたセサンテ市長は、「山の中に陸上養殖施設があるのには驚いた。私たちも同じような土地なのでこれは参考になる」とし、「今回はとても有意義な訪問だった。今日学んだことを生かし、セブ島に陸上養殖施設をつくって産業振興ができればと考えている」と強い期待感を表明しました。