プレスリリース

ダイキン工業、プラントオブザイヤー2023を受賞。AIによる異常検知システム導入が評価される

ダイキン工業株式会社は、計測機器によるデジタルトランスフォーメーションを推進し、革新的なプロセスの導入や大幅なプロセス改善を実現した企業に贈られる国際賞「プラントオブザイヤー2023」をこのほど受賞しました。本賞は2002年に創設された賞で、国内拠点の受賞として2社目の受賞になります。授賞式は、2024年2月27日に東京で開催される予定です。

本賞を選定しているフィールドコムグループ(本部・米テキサス州オースティン市)は、プロセス産業に関係する製造業、大学、研究機関など約380社・団体が加盟する国際的な非営利団体です。プロセス産業向けの通信技術の開発、組み込み・実装技術を普及させる活動を行っており、毎年1社、「プラントオブザイヤー」を選定しています。

今回の受賞では、化学製品を生産する鹿島製作所(茨城県神栖市)において、今まで活用されていなかった計装機器の内部データ(HART信号)とプロセスデータをAIで監視することで、機器の異常をリアルタイムに検知することを可能にした世界初の事例です。センサーが無い箇所でも、相関のある計装機器の内部データ(HART信号)とプロセスデータを組み合わせて解析をすることで、異常検知システムでの精度を向上する事に成功したことが高く評価されました。開発したシステムは、計測機器開発のアズビル株式会社と共同で特許出願しています。

AIを用いたオンライン異常検知システムは複数ありますが、センサーの設置が困難な箇所などセンサー収集情報が足りない場合には、高精度に監視できないケースが散見されました。今回開発したシステムでは、今まで活用されていなかった計装機器の内部データ(HART信号)を相関のあるプロセスデータと組み合わせることで、新たなセンサーを追加することなく、プラント制御に重要な機能を持つ調節弁等の計装機器の異常を早期発見することができるようになりました。

本システムは、2021年にシステムの試験稼働を開始して以降、これまでに6件の異常を検知し、未然に整備を実施することで生産停止を回避しました。鹿島製作所では設備更新時に順次、本システムを導入しています。今後グローバル拠点にも展開をすすめ、品質異常の早期発見につなげていきます。